無一居

写真レンズの復刻「むいちきょ」
紀元2012年1月創業

香箋 G1 50mm f2 小店での作例3

仕様 お寄せ頂いた作品  スピード・パンクロ Spped Panchroの復刻 - 2023.03.08

  1. 宝塚 2023.03.01
  2. マクロで花 2023.03.04
  3. 備前 2023.03.08
  4. 銀座の古いビル 2023.03.13
  5. 南麻布~麻布十番の夜 2023.03.23
  6. 増上寺の春 2023.03.29
  7. 新宿・初台 2023.04.08
  8. 渋谷と吉祥寺 2023.05.26
  9. 四谷 2023.05.31
  10. 虎ノ門 2023.07.19
  11. 百貨店 2023.09.05~07
  12. 白金台 2023.11.03
  13. 紀尾井町 2023.11.13
  14. 解体前のホテル 2023.11.20


 2023.03.08 岡山・伊部にて備前焼の窯元・小西陶古で20年以上職人をやっておられる先生に案内いただきました。そのため小西窯のみ見て参りました。

香箋 G1 50mm f2 陶古窯入口
香箋 G1 50mm f2 小西陶古の看板
 この二枚はf4~5.6ぐらいに絞っていますので普通に写っています。

香箋 G1 50mm f2 陶古窯の額
 軒下で少し暗いところです。オールドライカでよく言われるのが「空気が写る」ですが、これは「影を描き」ます。

香箋 G1 50mm f2 桃山時代の壺
 前ボケは普通使えないのですが、この玉はそれほど収差が強くはないこともあり安定しています。それでも後ボケほど美しいわけではありません。そこでこのようにガラスを通すとどうなのか? 柔らかい幻想的な感じになりそうです。

香箋 G1 50mm f2 駐車場の表記
 正午前でしたので日差しが強く、そこへ開放で撮るものですから露出を抑えるとこのようになりました。繊細さが完全に失われています。にも関わらず、背景はしっかり「影」を捉えています。現代の驚異的なISOを備えたデジカメであれば、全く普通に写った筈です。

香箋 G1 50mm f2 店内1
 背景がうるさい。スピード・パンクロ特有のボケが活かされていません。このような場合は少し絞り、対象範囲を広げ、ボケを抑えるのが良しと思います。ここは少し蛍光灯の光が青いようで強く反応していますが、とにかく人工光に反応します。色収差の反転によるものです。映画は人工光を使うので反応するように作っています。しかしこれは良くありません。紫が強く出るのはSDカードの不調、この2つの要素が重なったようです。

香箋 G1 50mm f2 花瓶
 平面ですが僅かに奥行きもある構図です。ほのかな陰影の表現が日本の文化に合いそうです。

香箋 G1 50mm f2 店内2
 外から日光が強く射している構図です。収差が強い玉ではキラキラしてしまい潰れますが、一方で無収差では鋭い光がリアルに表現されてしまいます。その中間、ちょうど良い具合です。

香箋 G1 50mm f2 店内3
 モノクロ時代の玉ですから、彩度が下がっても良さそうです。この時に色収差が活きています。パステル調に写っています。しかしこの玉は色収差を足していると言っても反転させているので、他のパステル型の玉とはやはり違っています。

香箋 G1 50mm f2 大型の壺
 肉眼ではもっと濃い色です。

香箋 G1 50mm f2 酒器
 太陽光に近いところでは現実の色になります。繰り返しますが人工光に反応します。

香箋 G1 50mm f2 乾燥中の作品1
 店を通り抜けて奥に出ます。屋根はありますが半露天となり、制作が終わった作品を干しています。湿度がいけないようで、焼くまでの保管では十分な乾燥がないと焼成で割れるようです。

香箋 G1 50mm f2 乾燥中の作品2
香箋 G1 50mm f2 乾燥中の作品3
香箋 G1 50mm f2 乾燥中の作品4
 光の状態が少しずつ違う3点です。単に光を柔らかく受け止めるだけでなく、陰影も彫りが深いし、対象も浮かび上がらせます。かといって強すぎるわけでもなく控えめです。自然な落ち着きがあります。

香箋 G1 50mm f2 泥精製池
 比較的暗いところに鈍い光が射している構図です。レンブラント光のよう、絵画的に描いています。そしてこういう柔らかい光の下ではパステル調の色彩になります。

香箋 G1 50mm f2 扉の金具
 中庭よりさらに奥に進みますと工房です。室内に入ります。古い建築でも工房というのはなかなか見られないので珍しさがあります。

香箋 G1 50mm f2 職人1
香箋 G1 50mm f2 職人2
 結構職人がいて、それぞれ得意分野のものを制作しているようです。

香箋 G1 50mm f2 小さな花瓶
 小さな花瓶です。備前というと朱泥と言われますが、焼いてようやく朱色になるようです。

香箋 G1 50mm f2 登窯1
香箋 G1 50mm f2 登窯2
香箋 G1 50mm f2 登窯3
 工房より奥に登窯があります。これが最大級で、他の場所に穴窯という部屋の仕切りのない窯、登窯ももう一つあります。さらに小型、中型の四方窯、電気窯が複数と、とにかくたくさんの窯があります。窯内に棚を作って作品を並べ、下から焚き火で熱を送り、さらにあちこちに開いている穴から熱した炭を投入します。

香箋 G1 50mm f2 穴窯
香箋 G1 50mm f2 四方窯
 車で別の場所に移動し穴窯を見ます。内部が筒なので熱がすぐに上まで上がってしまい管理が難しいようです。しかし古典作品のためには必要なのでしょう。急ぐ作品もあるので小型の窯も複数あります。

香箋 G1 50mm f2 陶蔵
香箋 G1 50mm f2 青いアーチ型の窓枠
 また店に戻ってきて、今度は道を挟んで向かいにあるギャラリーの方を鑑賞します。

香箋 G1 50mm f2 割れた甕
 割れ方にインパクトがあったのか、入り口入ってすぐのところに置いてあります。

香箋 G1 50mm f2 店内4
香箋 G1 50mm f2 店内5
 こちらは建築が新しいということもあって充分な自然光で本来の色彩が出ています。

香箋 G1 50mm f2 陶芸家
 ここは2階もありますので続いて作品を鑑賞します。

香箋 G1 50mm f2 作品展示1
香箋 G1 50mm f2 作品展示2
香箋 G1 50mm f2 作品展示3
 ピンを前から後ろに段階的に移動しました。主題の引き立ち方が変わってきます。どれも使えそうです。

香箋 G1 50mm f2 作品展示4
香箋 G1 50mm f2 作品展示5
 いずれも光の扱い方が難しい構図です。1つ目は作品にではなく書き付けにライトを当てています。本来控えめであるべきものにスポットライトが当たっています。これは写真で何かを語るのは難しい、書かれている内容次第ではありますが、これだともう少し構図を変えるなり工夫が必要です。2つ目は光が強いので明確な影が出ています。しかしスピード・パンクロはこのような題材の処理が得意なようです。コーティングに頼らずに光学設計で陰陽を描きます。

香箋 G1 50mm f2 作品展示6
 レンズのヘリコイドを全部繰り出し、フランジから外して被せるように載せると、フランジの部分で数mm前に出ます。これでまたマクロ撮影を行います。

香箋 G1 50mm f2 作品展示7
香箋 G1 50mm f2 作品展示8
香箋 G1 50mm f2 作品展示9
香箋 G1 50mm f2 作品展示10
香箋 G1 50mm f2 作品展示11
香箋 G1 50mm f2 作品展示12
香箋 G1 50mm f2 作品展示13
 この感じであれば、チューブをつけてさらに寄ることもできそうです。

香箋 G1 50mm f2 敷石
 これにて備前での撮影は終了しました。

コラム


  1. 宝塚 2023.03.01
  2. マクロで花 2023.03.04
  3. 備前 2023.03.08
  4. 銀座の古いビル 2023.03.13
  5. 南麻布~麻布十番の夜 2023.03.23
  6. 増上寺の春 2023.03.29
  7. 新宿・初台 2023.04.08
  8. 渋谷と吉祥寺 2023.05.26
  9. 四谷 2023.05.31
  10. 虎ノ門 2023.07.19
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  12. 白金台 2023.11.03
  13. 紀尾井町 2023.11.13
  14. 解体前のホテル 2023.11.20

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