花影 S1 60mm f2.2 小店での作例2
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近所とか旅行で少し撮ったものをご覧いただきます。ライカM3でフジ ネオパン400です。ネオパンにカビが生えていましたので影響が出ていますが、そこは気にせずに行きます。尚、カビは現像で死滅しております。

これは、
花影S1の説明をしているページの最後にポートレートを貼っていますが、その続きです。こういう構図は難しいものがあります。というのは、この写真では主題がバイオリンの老師です。ですから、そこにピントを合わせるのが常識です。しかしそうすると手前の人物が不自然にボケるのです。それで手前にだいたい焦点を合わせて、奥に向って見通すような作画になります。それよりむしろ、絞って撮るべきですが、ここではソフトフォーカスという前提なのでそれはできません。従って結論は、作画の通りになります。そうするとバイオリン老師の描写はひどくなりますが、ここでは極端な逆光のため、その弱点はあまり強く影響していません。しかし、いささか無理のある一枚です。

蘇州城内の裏路地です。これは特に何もありません。

暗いところは明瞭さを増し、明るいところはボケやすくなりますので、絞りの加減はこういう理由で難しくなります。

このように暗いところでも、同じ絞りを保つとこのようにシャープになってしまいます。

中国風の格子があって、そこから客が覗いて中から店員が見ています。なんだか、幾何学的哲学的作画ですが、そもそも店員はいきなり突っ込んできたのだから、意図なぞ何もありません。そして店員は主役に躍り出ているのです。

夜は難しいです。デジタルであればもっと明瞭に出るのですが、それが必ずしも良いとは限らないし、このように肉眼でも光と影の落差が激しいところでは撮影は避けるべきと思います。少女の顔が潰れていますが、ネガでは残っているので焼きでなんとかなりそうではあります。

仮にフランス人としておきますが、彼女は間違いなく動いています。しゃべっていました。シャッター速度が1/4ですから、動くなと言う方が無理ですが、他は明瞭に写っているのです。フランス人は真近で光を浴びているのでそのためにボケたということもあったと思います。

これはピントを外したわけではないということは自信をもって言えます。体を揺らして笛を吹いているので無理なのはわかっていました。それにしても、ソフトフォーカスは動きというものが撮りにくいような気がします。

古い映画でフォーカスアウトというのがありますが、その消える直前のような雰囲気です。

強い光にはソフトが強く掛かりますので、現実離れした雰囲気に写ってしまいます。

手前のボケは消しゴムで消し損なったような感じになります。そして少し揺れている感じがします。

明瞭なようで、そうではない独特の描写です。

陰は明瞭さが増し、光は柔らかくなります。もっともこういう現象は多かれ少なかれどんなレンズにもありますが、この画は全体的にふわっとしています。

遠景は好ましくありませんが、このレンズしか持ち合わせがなければ撮るしかありません。絞れば問題ありませんが。

カットしてスクエアにしてみました。城壁の上なので、向こう側は高い高い崖です。そのことを全く感じさせない少女の大胆さには感服させられます。

人民服の人は少なくなってきました。これを毎日着ることに決めると日々の決定すべきことが1つ減ります。時代が如何に変わろうとも死ぬまでやめられないお気持ちはよくわかります。

周囲との光量の差が大きいと暗い部分は明瞭さが増すのは致し方ないところです。

そこで室内に引き入れられた光はどうなるか見てみるとこうなりました。非常にソフトです。

自我とナルシズムが芽生えた少年は、親から携帯を向けられると、このようにポーズをとります。教育環境も含めていろいろ気になる画です。彼のやるべきことは、しっかり腰を落ち着けてオファーを待つだけです。

秘密の多い一家は、母親まで疑り深くこちらを監視しています。

少年は父親にすがりついて何かを要求しています。少年にとってはすでに大き過ぎたペットボトルのように見えますが、尚も欠けた何かを求め続けているようです。やがて大物になるのでしょうか。

これらは本来はシャッタースピードが1/4000ぐらいの筈ですが、ライカ
M3には1/1000までしかありません。モノクロはラチチュードが広いので無理やり撮っていますが、できれば露出は合わせた方が画はきれいになります。背景に独特の描写が感じられます。

現実離れした映り故、御伽の国の建物に見えます。故宮の建物なので表現としてはぴったりです。

この2枚はもう少し絞りのポイントをずらすべきでした。下の画はソフト効果が強過ぎます。よく光を見なければなりませんでした。
本レンズは条件がはまれば良いのですが、好ましくない、つまり合わない環境ではぜんぜんよくありません。すなわち、光との関係ですが、そんなに光の影響でパフォーマンスが変わるのであれば、スタジオ向けと言えなくはありません。
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